

美しい風景の一つとしてなじむ家に
のどかな田園風景が広がる安芸郡熊野町。県道を見下ろす小高い住宅地に、その家はあった。シックな抹茶色の外壁とグレーの屋根、和風でありながら洒落た雰囲気を漂わす。横に長く建てられた住まいを見た瞬間、「はぁーっ」とため息が漏れた。
玄関を入ると右手が親世帯、左手が子世帯の住まいになっている。親世帯には、すでにご夫婦が住み、子世帯には、将来、息子さん夫婦と子どもが住むという。


ゆとりを感じる和の感覚
子世帯の住まいの大きな特徴は、なんといっても囲炉裏のある部屋と、そこに設けられた広縁。この部屋は、ご主人が希望されたそうで、和風の家のすばらしさを、改めて感じさせてくれる。新しい畳の香り、明かりをとるための瞳戸、実際に鍋がかけられるように設計されている囲炉裏・・・。今の日本の住宅事情を考えると、かなり贅沢な部屋といえるだろう。
一転して、子世帯のキッチンからリビングにかけては、洋のイメージ。こちらは畳ではなく、日々の生活の場としての暮らしやすさが優先された合理的な部屋に仕上がっている。
実は、子世帯の住まいに2階があるため、完全に平屋というわけではない。
2階は寝室、子ども部屋、そしてご主人の書斎。すでに、本棚にはびっしり書籍が収められ、持ち主の満ち足りた表情が想像できる。

