
玄関脇のデッキからは、目の前にある畑が見える。家の中からでも、野菜の成長や畑の状態が確認でき、畑仕事に力が入りそうだ。
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視覚にこだわった四角くない家。予想外の建築プランに驚いた。
「高低差のある敷地をできるだけ有効に使いたい気持ちがあり、それを最大限に活かしたプランだったので驚いた」と山下夫妻は当初を振り返る。
屋根には段差があり長さも違う、家は変形した五角形という案配で、上にも横にも四角くない予想外の建築プランだが、そのいびつさが、外観に個性的な表情を持たせており、内部には上手くゆとりの空間を生みだしている。できるだけ多くの部屋を確保したいという追加の希望も叶えられた。

1.外の気配や明かりは充分入るが、プライバシーは守れる絶妙な窓の配置。
2.2階の部屋にはトップライトが。電気をつけなくても充分に明るい。
3.トップライトが廊下も照らす。蛍光灯よりも優しい光が、通るたびに心地よく感じられる。
もうひとつ、この家の個性となっているのが、あらゆる面に設置された大小さまざまな窓と、トップライトだ。家のあちこちに自然光が入り、部屋を明るく照らし出している。
「夕方まで電気をつけなくていいくらいです(笑)。文字通り、明るい家になりました」とご主人。家と外という境があまり感じられず、自然と一体感があるのはそのせいだろう。
建築家の方にお話を伺うと、「窓を多くすることで、壁や扉が視覚のコミュニケーションを完全に遮断しないように考慮しました。閉じた空間ではなく、窓や扉の向こうに家族や自然の気配を感じられる家にしたいと思いました。でも、外を歩く人や近所の家から、家の中が丸見えにならないように、窓の位置や高さ、大きさは計算しています。ですから、周囲の目線は気にならないはずですよ」とのお話。
家族それぞれの楽しみと、家族が集う場所がある。

ここが山下邸の中心であるリビング。中庭に面した窓が大きく開き、開放的な気分を味わえる。「ここが一番好きな場所」と夫婦の意見も一致した。

奥様の好みが反映されたキッチン。ポップな壁紙が楽しい雰囲気。
山下邸の中心といえるのは、冒頭で紹介した中庭に面した広いリビング。天井は吹き抜けで、開放感が心地よく、夫婦ともに一番のお気に入りの場所だそうだ。「風呂も寝室も広くて快適。すごく満足しています」と、山下夫妻。段差の部分は、ご主人のアイデアを建築家がうまく実現し、バイク置き場と農機具を入れる倉庫となった。目の前が畑なので、農具を置くにはもってこいの場所だったのだ。これも、この土地のハンデと思われた部分を、うまく個性に変えた良い例だろう。

右の中庭を外から見るとこうなる。屋外と屋内が混じる不思議な空間。

玄関脇にはガラスで仕切られた中庭が。ここは緑を置く予定とか。
この家に住み始めてから、意外な変化があった。それは夫婦がお互いに好きな事を楽しむようになったこと。奥様は、以前はよく外出していたが、今は家でのんびり過ごすのが楽しみになったという。ご主人は家の前にある畑で、畑仕事に精を出したり、中庭で植木の手入れをしたり、やっと手に入れた自分の部屋で過ごしたり。長男はバイクで出かけることも多い。いまは独立している娘さんも、愛犬を連れて時々帰ってくる。家族それぞれが、自分の時間を過ごしたら、自然とこのリビングに集まるのだ。
子供2人が成長するにつれて家も手狭になり、家づくりを考えるようになりました。これまで元気で働いてこれたおかげで土地を整地するという余分な費用を割くことなく、段差を活かした素敵な家を建てることができ、本当に良かったと思います」と、ご主人。

